マレーシアでは、さまざまな法令において税制上の優遇措置が与えられます。
これらの優遇措置は、奨励業種である製造業、農業、観光業、特定サービス産業およびR&D(研究開発:Reserch and Developmentの訳)、職業訓練事業、環境保護事業、地域流通センター、マルチメディア事業などが対象とされているのです。
その優遇措置制度の1つであるMSCステータスについてお話していきましょう。
国家プロジェクト「マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)計画」
マレーシアでは、1996年に国家プロジェクトの「マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)計画」が打ち出されました。
この計画は自国をIT開発の拠点にしていくべく、海外先進国から関連産業の誘致を積極的に行うというもの。マルチメディア製品の創出、流通を利用する場所をマレーシア政府が提供するということ。
然るべき要件を満たした企業に対して、マレーシア政府よりMSCステータスが認定される。
そのステータスを取得した企業は、一連の優遇措置、特典を受けられるのです。
MSCステータスの魅力的な特典
MSCステータスの主な特典は5つあげられます。
- パイオニア・ステータスの付与によって最長10年間の法人税免除
- 外国人(日本人を含む)の雇用
- マルチメディア関連機器の輸入関税免除
- 100%外資保有可能
- 研究開発助成金が受けられる
IT事業やマルチメディア関連事業は、このMSCステータスを所得しなくても行うことは可能ですが、5つの優遇措置はかなり魅力のある条件です。
日本から進出している関連産業は、大手通信会社(NTTやKDDIなど)や個人経営の小規模なソフト開発会社、、マルチメディア関連会社、アニメーション製作会社、コールセンターなど取得している会社は多岐に渡ります。
そのほとんどがMSCステータスを取得し、優遇措置を受けて運営を行っているのです。
この魅力的な優遇措置、ステータス取得のハードルも高くなってきているようです。
Mdecの審査が厳格に
MSCステータス制度が開始されたばかりのころは、1ヶ月程度で取得することが可能でした。
しかし、優遇措置、特典のメリットしか考えていない中身のない企業が増えていることで、現在はMDeCの審査がかなり厳格になっているようです。
MDeCとは、Malaysia Digital Economy Corporationの略。
MSCステータスを管理している組織です。
申請には、領域を管轄するMDeC(マルチメディア開発公社)に対して事業計画書の提出が求められます。MDeCからは内容不十分ということで何度も申請書類を突き返され、認可に数年かかるケースもあるのです。
その書類審査の内容は3年間の事業計画、収益予測、開発内容、移転技術のバックグラウンド、現地社員の採用と育成計画、日本人駐在員の経歴(学歴・職歴など)に至るまで詳細を具体的な英文で事業計画書として作成し、提出する必要があります。
書類審査に加え、政府担当者への口頭による説明、現地審査も行われる場合があります。
取得のハードルがいかに高くなっているかが分かります。
ハードルは高くなっていますが、魅力的な優遇措置です。
こんな人(会社)にオススメ
・何らかのITや開発に関するビジネスをマレーシアでしようとしている人
・外国人従業員に沢山ビザを発行したい人
・低資本(約250万)で会社をスタートしたい人
・オフィスをマレーシアに構える予定がある人
に特にオススメのステータスです。
MSCステータスの取得のサポートをご検討の場合はお問い合わせフォームから
無料相談も承っています。