
マレーシアで企業を設立するにあたり、マレーシア会社法にて払込資本金が規定されています。
マレーシア法人に出資する方法は、現金を出資する方法だけでなく、現金以外の資産を出資する方法が認められているのはご存じですか?
今回は、マレーシア法人の資本金に関する「現物出資」についてご説明します。
現物出資とは
現金以外の資産を出資する方法を「現物出資」と言います。
現金以外の資産とは、例えると不動産、自動車、在庫、他社の株式などと言ったもの。
この方法は、マレーシア法人独自のものではありません。
日本で会社を設立する場合も同様な制度があります。
認められた外国資本100%
以前は、マレーシア資本を入れることを求める規制がありましたが、大半が撤廃されました。
多くの業種で外国資本100%保有の会社による事業活動が認められています。
(IT企業、飲食業、製造業、コンサルティング業、一部例外あり)
外資100%が認められ、少数株主の保護、権利行詩などに注意を払う必要がなく、極めて安定した
事業運営が可能になりました。
資本金の最低額
マレーシア会社法が規定する払込資本金の最低額は、2RMとなっています。
ですが、マレーシア法人のdirector(役員)、Employment Pass(外国人又はマレーシア国内就労するための在留許可)を取得するためには2RMでは足りませんね。
また飲食業、小売業に関しては、ライセンス取得のために最低100万RM以上の払込資本金が
求められます。
(一部例外あり)
資本金は全て現金でなくても良い「現物出資」
例えば「小売業やレストラン業などを始めるには、100万RMの会社を設立する必要がある」
という時、100万RMを必ず全てを現金で用意する必要はないのです。
他に資産的価値のあるものがあれば、出資の対象として100万RMを満たす方法もあるのです。
100万RM相当の日本円を準備できる場合、日本に会社を持っている方は、そのお金でまず日本の
会社を増資し、マレーシア法人には自身が所有している日本法人の株式を現物出資するという方法
もあります。
(いくらかの現金は、マレーシア法人に出資しないと事業運営ができないので、一部は増資後の日本法人の株式を出資、一部現金をマレーシア法人に直接出資という方法が良い)
またこの方法を取った場合、マレーシア法人が日本法人の株式を所有することとなります。
持ち株数によっては、マレーシア法人が日本法人の親会社になります。
これが現物出資となります。